マンション売却は、売主と営業マンの二人三脚で行います。といっても、営業マンが主導して売却活動は行いますが、営業マンに任せっぱなしにしてはいけません。
営業マンはマンション売却のプロではありますが、売主が指摘することで、さらに売却活動が改善するからです。今回は、マンション売却時に売主が営業マンに指摘すべき3つのことを解説していきます。
売却活動報告について
まず1つ目は、売却活動報告について指摘しましょう。専属専任媒介契約であれば1週間に1回以上、専任媒介契約であれば2週間に1回以上、営業マンは売主に売却活動を報告する義務があります。
この売却活動報告で、売主は以下の点を営業マンに指摘しましょう。
- 広告戦略について
- 問い合わせ数について
- 競合物件の状況について
- 報告方法について
売却報告に関しては、所定のフォーマットがあるわけではありません。そのため、不動産会社、もしくは営業マンによって報告内容はバラバラなのです。
もちろん、営業マンがしっかりと上記をできていれば問題ありませんが、なかなかできない営業マンもいます。しかし、これらのことはマンションを高く・早く売ることに直結してくることなので、必ず確認して必要であれば指摘しましょう。
広告戦略について
広告については、今まで行った広告種類や広告量、そして今後検討している広告戦略を報告してもらいましょう。これは、営業マンに広告活動をしっかりとやってもらうためです。特に、規模の小さな不動産会社の場合は、チラシ投函などは営業マン自ら行うこともあります。
そのため、営業マンのやる気次第で広告量が変わってくるため、売主の方である程度コントロールする必要があります。
問い合わせ数について
また、「内見予約数」などを報告する営業マンは多いですが、「問い合わせ数」を報告する営業マンは少ないです。そもそも問い合わせ数とは、広告を見て電話やメールをしてきた数です。つまり、内見につながっていないケースも含まれています。
この問い合わせ数は広告がきちんと認知されているかどうかのバロメーターになるので、営業マンには必ず報告してもらいましょう。
競合物件の状況について
マンション売却において、競合物件の存在は非常に重要になります。なぜなら、競合物件の価格や売れ行きによっては、自分のマンションの売り出し価格を変える必要があるからです。
ただ、営業マンは売り出しをはじめてからは、意外と競合物件をチェックしないことが多いです。
しかし、競合物件の情報しだいでは、早めに値引きをしてでも売ったほうが良い状況もあり得るので、営業マンには逐一報告してもらいましょう。報告義務を与えることで、営業マンが定期的に競合物件を調べることにもつながります。
報告方法について
売却報告は、実はどのような方法で行っても構いません。比較的メールで報告する営業マンが多いですが、電話にて口頭で行う営業マンもいます。
しかし、売却報告は必ずメールにて行ってもらいましょう。そして、上述した点を報告して欲しいというのも伝えておくと良いです。
そうすれば、上述した「広告戦略について」「問い合わせ数について」「競合物件の状況について」の3点の報告がフォーマット化されます。
また、営業マンと売主の間で、言った・言わないというトラブルも防げるのです。証拠が残ることが重要です。
オープンルームの実施について
売主が指摘すべき2つ目は、オープンルームの実施についてです。オープンルームは集客に大きな影響を与えるので、オープンルームについては以下の点を理解しておきましょう。
- オープンルームとは?
- オープンルームのメリット
- オープンルームのデメリット
- オープンルームを指摘する理由
オープンルームは、意外と知らない人も多いです。そのため、営業マン自身から説明がない場合は、オープンルームをせずに売却活動を終えるケースもあります。
オープンルームとは?
そもそもオープンルームとは、一定期間マンションを開放して、予約なしの見学者も受け入れることです。たとえば、「2月10日(土)10:00~17:00オープンルーム実施!」などの広告をして、この期間は誰でも予約なしでマンションの室内を見学できます。
オープンルームのメリット
このオープンルームをするメリットは以下の点です。
- 集客を増やせる
- 再来を呼べる
まず、予約なしで見学できるので単純に集客数が増えます。マンションの内見というのは、購入検討者からすると意外とハードルが高いです。
つまり、「まだ大してマンション購入を検討していないのに見学して良いのか・・・」と思う人が多いということです。
しかし、そのような人こそ、マンションを見学することで検討が高まるケースが多く、オープンルームをすることで、そのような層を呼び込めるということです。
また、一度来訪した人をもう一度呼び込む(再来)こともできます。これも先ほどのケースと同じく、2度見学するのは意外と勇気がいります。
そのため、誰でも見学できるオープンルームを実施することで、再来するハードルもグッと下げることができるのです。
オープンルームのデメリット
一方、オープンルームのデメリットは以下の点です。
- 時間が拘束される
- セキュリティ上の不安
まず、オープンルーム中は基本的に外出しなければなりません。売主が室内にいても良いですが、不特定多数の見学者が入ってくるので、なかなか落ち着くことはできないです。その時間的な拘束がある点が、オープンルーム1番のデメリットと言えるでしょう。
また、不特定多数が見学するということで、セキュリティ上の不安もあります。
もちろん、営業マンが立ち会いますが、複数組の見学者がいる場合には、全ての見学者を見られないかもしれません。そのため、貴重品や貴金属は、鍵のかかる場所に入れておくなど、リスクヘッジしておく必要があります。
オープンルームをの実施を指摘する理由
さて、そんなオープンルームですが、なぜ売主から営業マンに指摘する必要があるかというと、オープンルームを嫌がる営業マンが多いからです。というのも、オープンルームを実施するときには、セキュリティ上の観点からも基本2人以上の営業マンが付き添います。
その営業マンは丸1日マンションに張り付いていますので、ほかの仕事をすることができます。つまり、ほかのマンションの内見や、訪問査定、契約関係など、オープンルーム実施中はほかの仕事が全てできないということです。
そのため、営業マンからオープンルームの提案をしてこないケースもあるので、売主から提案をしましょう。
とはいえ、いきなりオープンルームをするというよりは、集客が減り始める1.5ヶ月~2ヶ月経過した頃が良いでしょう。
売主にとっても負担があることではありますが、集客が増えるメリットは大きいので、実施したほうが良いです。
※営業マンにとっても負担が大きい施策ではあるので、「そういえばオープンルームの実施ってどうお考えですか?」ぐらいにまず投げかけてみるのもいいでしょう。
売り出し価格について
最後に売り出し価格についても、売主から営業マンに指摘すべきです。売り出し価格とは、広告に記載している価格であり、売れなければ下げていくのがセオリーです。
そんな売り出し価格については、以下の点を理解しておきましょう。
- 売り出し価格の推移を提示してもらう
- 競合物件の理解
売り出し価格の提案は、営業マン個人の意見での提案が多いです。そのため、逐一営業マンと売り出し価格について話をしておかないと、唐突に売り出し価格の変更を提案される場合があります。
売り出し価格の推移を提示してもらう
まずは、営業マンに売り出し価格の推移を提示してもらいましょう。これは、上述した売却報告のときと一緒に提示してもらっても良いですし、隔週など定期的に報告してもらっても良いです。
不動産会社の中には媒介契約を結ぶときに提示する会社もありますが、提示されなかったときは初期の段階で作成してもらいましょう。
売り出し価格の推移を最初に作っておかないと、いざ売り出し価格を下げる段階で、「いつ」「いくらに」下げるのか基準がないまま進められてしまうのです。
競合物件の理解
また、上述した売却報告の際に競合物件を提示してもらうように言いましたが、売主自身も理解しておく必要があります。
たとえば、売り出し価格を3,190万円にしていて、営業マンの方から「競合物件に○○と言う物件がでてきたので3,100万円以下にしないと厳しいです」と提案があったとします。
しかし、その競合物件○○と言う存在自体を知らなければ決断できず、決断が遅くなるほど売却期間をずるずると延びていきます。そのため、営業マンから競合物件情報を得たら、時間の許す限りその物件について調べておきましょう。
まとめ
マンション売却時は、売主から営業マンに以下の指摘をしましょう。
- 精度の高い売却報告への指摘
- オープンルームの実施するように促す指摘
- 売り出し価格の適切な推移を提示する指摘
上記はいずれも、マンションの売却スピードと売却価格に関わる重要なことです。心に留めておきましょう!
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