大家なら知っておくべき「家賃交渉がしやすい」物件と時期は?

 

賃貸物件を運営している大家は、当然ながら安定して家賃を得たいものです。そのため、できれば家賃の値下げをしたくないものですが、検討者によっては交渉してくる人もいます。

そこで今回は、検討者目線から見て、家賃交渉しやすい物件はどのような物件か?そしてどの時期に交渉しやすいか?について解説します。その目線を知っておくことで、家賃交渉されにくい物件にする方法や、交渉されたときの対策などが分かってくるでしょう。

 

目次

家賃交渉しやすい時期

さて、まずは家賃交渉しやすい時期から解説します。結論からいうと、家賃交渉しやすい時期は4月~7月、そして10月~12月といわれています。では、時期別にみていきましょう。

1月~3月

1月~3月期は集客ができる時期です。厳密に言うと1月中旬くらいまでは集客は減少傾向にありますが、転勤や就職、学校への入学がはじまる4/1を目指して家を探し出す人が増えてきます。

そのため、この時期は不動産会社が繁忙期になるので、値引き交渉に応じないと見越して交渉しない人が多いです。

4月~7月

4月に入ると、4/1に入居したい人がガクッと減るので集客も減少します。そのため、不動産会社としては閑散期に入るので、値引き交渉される時期になります。

8月~9月

8月はお盆休みなどの長期休みを利用して、物件を探す人が少しずつ増えてきます。ただ、そこまで爆発的に増えるわけではないので、閑散期とも繁忙期ともいえないでしょう。9月は4/1と同じように、10/1人向けての転勤などが増えてくるので集客が増え、値引き交渉は少なくなる時期です。

10月~12月

10月を過ぎると一段落するので、集客は減っていきます。年末にかけて集客はさらに減ってくるので、1年の中で最も閑散期でといえるでしょう。そのため、値引き交渉は多い時期になります。

大家としての対策

さて、このように時期別に値引き交渉の度合いが異なってきますが、大家としては以下の対策を頭にいれておきましょう。

  • 繁忙期は値下げしない
  • 値下げより先に初期費用を落とす
  • 閑散期になる前に貸す

繁忙期は値下げしない

まずは、上述した繁忙期と閑散期を頭に入れておき、繁忙期に家賃交渉されたとしても断ることです。繁忙期のタイミングは集客が一定数いるので、すぐに賃付けできる可能性があります。

値下げより先に初期費用を落とす

次に、家賃交渉に応じざるを得ないときは、家賃を下げるよりも初期費用を落とすことを優先させましょう。というのも、一度家賃を落としてしまうと、継続的に収入が減ってしまうからです。一方、礼金などの初期費用であれば、一時的な費用になるので継続的に収入が落ち込むわけではありません。

閑散期になる前に貸す

さいごは、閑散期になる前に貸すということです。たとえば、3月下旬に検討客が現れたとします。3月は繁忙期とはいえ、あと数日で4月に突入するとしたら、何とかその検討客で決めたいところです。

そのようなタイミングの場合は、交渉に応じるのもありです。というのも、4月(閑散期)に突入してしまうと、さらに大きな値下げが必要になる可能性があります。そのため、まずは初期費用の減額で交渉し、次に家賃値下げの交渉をするという順番です。

家賃交渉しやすい物件

次に、家賃交渉しやす物件とは以下のような物件です。

  • 募集期間が長い物件
  • レントフリーを設けている物件
  • 初期費用が安い物件

上記の物件が交渉しやすいと思われる理由、および大家としての対策を解説していきます。

募集期間が長い物件

まず、募集期間が長い物件の場合だと、賃付けに苦戦していると見なされ交渉されやすいです。今は、ネットで物件検索ができ、最寄り駅や家賃、築年数などの条件を入力した後に「条件保存」ができます。さらに、条件に合致した物件があれば、新しい物件が出れば通知されます。

つまり、賃貸物件を探している人にとって、今の時代は「募集期間が長いかどうか」はすぐに分かるということです。アプリを開いて「この物件いつまでも貸し出されていないな」と思われれば、家賃交渉される可能性は極めて高いでしょう。

そんなときの対策は、新しい物件として見せるために以下をやることです。

  • 掲載するサイト(アプリ)を変えてもらう
  • 物件名を住所に変える
  • 間取り図のテイストを変える

少々こざかしいやり方ですが割と効果は高いです。これらの仲介を依頼している不動産会社に頼むと実行してくれます。

レントフリーを設けている物件

レントフリーとは、一定期間「賃料が0円」と設定している物件のことで、大体1か月~2か月で設定していることが多いです。レントフリーの物件も苦戦物件と見なされ値引き交渉されることは多いでしょう。

レントフリーにすると、上述したように初期費用が安くなるので、検討者の反応は良くなります。ただ、レントフリーの場合にはギリギリの範囲で賃料を上げ、値引き交渉される前提にした方が良いです。たとえば、家賃が11.3万円であれば、11.5万円まで賃料を上げレントフリーします。

もしかしたら「賃料を上げることで集客は減るのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、家賃設定は0.5万円ずつなので、その範囲内であればさほど問題ありません。もちろん、レントフリーにつられて家賃が高いままで契約できればラッキーですし、交渉されれば値上げした分応じれば良いです。

初期費用が安い物件

また、仲介手数料・敷金・礼金が安い物件も、「賃貸できないから初期費用を安く(もしくは0円)にした」と思われ、交渉される傾向にあります。対策としては、まずレントフリーと同じく家賃を上げることです。

ほかには、共益費を上げて家賃は下げるという方法もあります。賃貸物件を探すとき、検討者は希望の賃料を設定しますが「共益費含む」にチェックを入れない人もいます。つまり、共益費を上げて家賃を下げると、チェックを入れない人にとっては「家賃を下げた」となるわけです。

しかし、実際にオーナーが受け取る家賃は変わっていません。そうすれば、交渉されても「そもそも家賃は下げました」とも言えますし、家賃を下げたと思っている人からは交渉されないかもしれません。

まとめ

このように、家賃交渉されやすい時期や物件があります。これらの情報はネットなどに書いてありますし、仲介会者も成約を促すために「家賃交渉できるかもしれません」と持ち掛けるケースもあります。

そのため、大家としてまずは上述した点を理解しておきましょう。そして、いざ自分の物件を貸し出したときには、対策を認識しながら、なるべく収益を悪化させないように努めることが大切です。

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