文教地区も資産価値が落ちにくい!教育レベルが高い横浜市青葉区・東京都文京区の路線価遷移、人気の理由は?治安がいい?

「文教地区」という言葉があります。文教地区という言葉は不動産業界では良く使われており、不動産の広告にも「文教地区に誕生・・・」のように謳っている場合も多いです。しかし、そもそもなぜ文教地区は人気のある地区なのでしょうか?
今回は文教地区の資産価値をテーマに人気の理由を探っていきます。

目次

文教地区とは?

そもそも文教育とはどんな地区を指すのでしょうか?文教地区は明確に定義付けられているワケではありませんが、一般的には教育施設が多く集まっている地区の事を指します。主に、教育水準が高いとされている学校や図書館などの施設が集まっている地区です。

文教地区と言われている地区は日本各地にあります。例えば、以下の地区は関東で文教地区と呼ばれている場所の一部です。

  • 東京都文京区本郷
  • 東京都豊島区目白
  • 埼玉県さいたま市浦和区
  • 神奈川県横浜市青葉区
  • 千葉県柏市柏の葉

このような場所は国で「文教地区」と定めたワケではなく、不動産会社や地元住民の口コミから広がっていったものと考えられます。事実、このような地区は公立学校のレベルも高いとされているので、わざわざ引越したり越境入学したりする人もいるくらいです。

なぜ文教地区が人気なのか?

つづいて、このような文教地区がなぜ人気なのかを探っていきます。文教地区が人気の理由は以下の点にあります。

  • ①子育て世代が注目するため、不動産広告に出やすい
  • ②治安が比較的良い
  • ③資産価値が高い

上記の3つが、文教地区が人気である理由です。

①子育て世代が注目するため、不動産広告に出やすい

まず最も大きな理由は、子育て世代が注目するから不動産広告に出やすいという点です。家を買うタイミングで一番多いタイミングは「家族が増えた時」です。結婚や出産などのタイミングで家を買う方は圧倒的に多いです。

その時に家を買う優先順位をどうするかを考えれば、自ずと文教地区が人気の理由が分かってきます。基本的には子育てしやすい場所を優先させるので、自然と以下のような要素の優先順位が高くなってくるのです。

  • 教育に適している施設がある
  • 公園など緑が多く住みやすい
  • 治安が良く安心で過ごせる

上記のような教育・生活・治安の3点は子育て世代には外せない要素になります。

不動産会社の広告

不動産会社の立場になれば分かりますが、例えば「文京区本郷」「横浜市青葉区」「さいたま市浦和区」などのエリアに不動産を建てる時は、必ず「立地」を推します。なぜなら、この地区は文教地区という要素を外しても「交通利便性」「商業利便性」「生活利便性」が高いからです。

更に、このエリアで分譲する時にターゲットを誰に設定するかと言うと、基本的にはファミリー世代をターゲットに定めます。そうすると、必然的に「教育」について謳うという事が必須になってきますので、不動産会社はバンバン「教育に良い街」という点を押し出すのです。

それは学校などのレベルが高いだけでなく、先ほど言った「公園」や「治安」の要素も含まれます。それらも相まって「文教地区は子育てに良い」という事項が、色々な方の頭に広告によって刷り込まれているのです。

②治安が比較的良い

つづいて治安面も人気の一つです。実際に治安が良いのかを、文教区本郷で見てみましょう。例えば、スマイティのサイト※1に掲載されている犯罪率を調べてみると、以下のような結果です。

  • 全国平均:0.9%
  • 東京都平均:1.83%
  • 文京区:1.18%

さすがに東京都なので全国平均よりは上回っていますが、東京都平均と比較すると格段に低い事が分かります。街並みとしても閑静な街並みで、駅前も雑然としていなく住みやすい街として有名な街です。

また、横浜市青葉区も見てみましょう。

  • 全国平均:0.9%
  • 神奈川県平均:0.98%
  • 横浜市青葉区:0.68%
  • このように、横浜市青葉区に至っては、全国平均すら下回っている治安の良さです。普通は人口が多い都市ほど犯罪率は高くなる傾向があります。事実、全国での犯罪率を見てみると、大阪や東京、愛知や京都など人口の多く集まる都市が上位に挙がっています。

    一方、横浜市青葉区は「青葉台」や「たまプラーザ」などがありますので、決して人口が少ないエリアではありません。それにも関わらず治安が良いという点は、非常に高く評価されるポイントです。

    ※スマイティ
    http://sumaity.com/town/ranking/tokyo/crime/?page=2

    治安を重視する世代

    前項の「①子育て世代が注目するため、不動産広告に出やすい」にも通じるものがありますが、治安が良い街と言うのは不動産を選ぶときにも人気がある街になります。仮に、高齢者に人気の街があったとします。例えば巣鴨などが挙げられると思いますが、そのエリアは一般的に人気のエリアでしょうか?

    決して一般的に「住みたい街」に挙がるエリアではありません。なぜなら、「住みたい街」は誰の声を反映しているかと言うと、住宅を買う事の多い「子育て世代」の声を反映しているからです。裏を返すと子育て世代に人気のある街は「住みたい街」として広く知れ渡るため、人気が出るのです。

    このように、勿論「治安」という要素も大事ですが、一番大事なのがこの「治安」を最も大事にする世代は子育て世代であるという点です。子育て世代に人気だからこそメディアにも取り上げられ、更に人気は上がるのです。

    ③資産価値が高い

    前項までのお話しで分かると思いますが、文教地区は人気があります。人気があるという事は需要がありますので、必然的にそのエリアの不動産価格は高い水準で推移するのです。こちらも文京区本郷と横浜市青葉区で見てみましょう。

    まずは比較対象のために、公示地価(毎年国が発表する土地の価格)の全国推移からご説明します。直近5~8年は、全国的に公示地価は低迷していました※2。ようやく平成28年に商業地区の公示地価が上昇に転じたくらいで、ここ最近はずっと低い水準でした。

    ※土地総合情報ライブラリー
    http://tochi.mlit.go.jp/wp-content/uploads/2016/03/gaiyou_013.gif

    文京区本郷の公示地価

    一方、文京区本郷の公示地価を見てみましょう。例えば、本郷2丁目の公示地価は10年スパンで見ると25.5%上昇していて、3年スパンで見ても10.5%上昇しています。全国的に低迷していた中でもキチンと上昇し続けている点で、文京区本郷の資産価値が分かったと思います。

    横浜市青葉区の公示地価

    また、横浜市青葉区を見てみましょう。例えば、青葉区しらとり台の公示地価を見てみると、10年スパンで16.4%上昇しており、3年スパンでも6.1%上昇しています。文京区本郷ほどではありませんが、前項平均と比較すると、安定的に根強い人気があります。

    このように、文教地区は公示地価から見る不動産の資産価値も高いのです。その分不動産価格も高いですが、「教育」「治安」「生活利便」「交通利便」が良くて更に資産価値が高いエリアですので、不動産の観点からするとパーフェクトな条件になります。

    だからこそ文教地区と呼ばれる場所は人気があるのです。単にネームバリューだけではなく、そこには「子育て世代に人気がある」という非常に強い特徴があるのです。

    ※あなたの街の資産価値
    http://www.tikara.jp/

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。何となく文教地区は人気がある、文教地区は教育水準が高いという印象はあったと思いますが、なぜ人気があるのか?までは考えた事がなかったと思います。繰り返しますが、「子育て世代に人気がある」という場所は強いです。

    なぜなら、不動産会社が勝手に広告を打ってくれますし、メディアも「住みたい街」として取り上げてくれるからです。また、一度文教地区と世間から認められれば、その印象が変わることは早々ないので、今後も資産価値は維持し続けられる可能性は高いです。

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