いよいよ、2018年6月より新しい民泊の法律が施行されます。
参考:【2018年3月更新】最新の民泊動向は?住宅宿泊事業法(通称:民泊法・民泊新法)、足立区新宿区の自治体規制やSUUMOとAirbnbの提携・Airstairにも言及。
民泊を検討している方は、行政に民泊物件の届出をしてきた方もいるのではないでしょうか。
今回は、そんな民泊で起きやすいトラブルを解説します。過去に起きたトラブルを知ることで、事前に注意点を把握しておきましょう。トラブルや注意点を把握することで対策ができ、トラブルのない民泊運営につながります。
器物破損のトラブル
民泊は「宿泊者」を迎え入れるということなので、賃貸物件の運営と異なり、煩わしい契約も不要ですし、空室になるタイミングで自分が活用することもできます。しかし、宿泊者がどんどん入れ替わるからこそ、室内の設備や備品が壊されてしまうという可能性もあるのです。
日本人は比較的ていねいに物を扱いますが、外国の方だと雑に扱う方もいます。そのため、以下の点を認識しておきましょう。
・室内写真の撮影をしておく
・仲介サイトの補償を確認
まずは、室内写真を日付が分かる形で保存しておくことです。スマホなどを利用した撮影でも構いません。写真を撮影しておくことで、宿泊者が壊したのか、宿泊前に壊れていたのかの証明になります。
また、Airbnb※などの民泊仲介サイトには、「問題解決センター」などがあります。宿泊者(ゲスト)と物件オーナー(ホスト)で問題が解決できない場合は、このような機関に問い合わせてみましょう。
※Airbnb
https://www.airbnb.jp/
室内のルールを守らない
民泊をする場合は、ゲストに対して色々なルールをつくることが多いです。代表的なルールでいうと「室内・共用部は全て禁煙」などのルールです。最近の分譲マンションは、エントランスや外部廊下、バルコニーなどの共用部は全面禁煙となっています。
また、室内でたばこを吸うと、室内にたばこの臭いが染みついてしまいます。そうなると、ゲストの評価が悪くなってしまい、Airbnbなどのサイトの評価が落ち集客減につながります。そのため、室内も含めて全面禁煙にするケースが多いのです。
このルールを守るかどうかは、ゲストのモラルが頼りですので、完全に防ぐことはできません。しかし、対策として以下の点を覚えておきましょう。
・ルールを徹底的に周知する
・ゲストを絞る
ゲスト向けに室内の使い方を書いた資料を作成します。その資料に、禁煙を分かりやすく色々な言語で書いたり、誰でも分かるマークで示したりしておきましょう。また室内の壁などに、禁煙マークを貼り出すのも効果的です。
ほかには、Airbnbなどのサイトでゲストを集客するとき、評価が悪いゲストを弾くような設定にしましょう。そうすれば、過去素行が悪く評価が悪くなったゲストを宿泊させないで済みます。ただ、これは集客減にもつながるポイントなので、慎重に判断しましょう。
設備などが分からない
特に、日本と外国では室内の設備が異なります。その違いによって、近所に迷惑をかけたり、ホストの負担が大きくなったりというトラブルにも注意しましょう。たとえば、「床暖房」という機能は、発展途上国や年中温暖な国には存在しないでしょう。
そのため、たとえば床暖房の機能を知らない外国人がスイッチを押してしまい、床が熱くなったことを「火事」や「異常」だと勘違いする可能性もあります。そうなると、隣人の家に駆けこんだり、深夜などの時間帯にホストへ電話したりと、迷惑になるケースがあるのです。
そのほかに、食洗器の使い方が分からなければ、食洗器を利用することで食器が壊れる危険があります。また、ディスポーザーの使い方が分からなければ、ディスポーザーが壊れてしまうかもしれません。
そのため、床暖房やディスポーザー、食洗器などの世界共通でない設備がついている場合は、スイッチ部分を触れないようしておくか、丁寧に説明書きを作成しておきましょう。
国民性の違い
前項も国民性の違いと言える部分ですが、「時間」などに関しても国民性の違いは大きく現れます。日本は世界の中でもかなり時間厳守の国ですが、ヨーロッパなどの国では日本ほど時間厳守でない国もあります。
たとえば、新幹線の時間も日本は分刻みで決まっていますが、ある国では1時間~2時間程度なら遅れるのが普通の国もあります。そのため、チェックイン時間やチェックアウト時間を守らないということも考えられるのです。
民泊は回転数が大切
民泊は、ゲストをいかに効率よく回すかが収益の重要な要素です。民泊の新しい法律によって、営業日数が年間180日以下に限られるとはいえ、宿泊費用を高く設定できる長期休暇にどんどん宿泊者を取りたいものです。
そのため、たとえば以下のようなスケジュールも考えられます。
・Aさん:8/5 16:00チェックイン~8/9 12:00チェックアウト
・Bさん:8/9 16:00チェックイン~8/12 12:00チェックアウト
このような場合には、AさんがチェックアウトしてBさんがチェックインするまで、わずか4時間しかありません。その間に、掃除や備品の補給などもする必要があるので、Aさんに時間を守って貰わないと困ります。
そのため、Airbnbなどの仲介サイトに、時間厳守の旨を色々な言語で表記しておくなどの対策をしておきましょう。また、ゲストと鍵の受け渡しなどの連絡をするときに、改めて時間厳守の旨を確認しておくと良いでしょう。
鍵は立ち会わない仕組みにする
また、チェックインの時間を守らないという可能性もあります。民泊運営のときは、鍵は以下のような受け渡し方法にします。
・キーボックスなどに入れて暗証番号を伝える
・待ち合わせて鍵を受け渡す
もし可能であればキーボックスでの受け渡しにしましょう。そうすれば、チェックインの時間に遅れても大きな問題はありません。もしくは、スマートロックなどにしておけば、キーボックスと同じ効果が得られるのでおすすめです。
ただし、オートロックのマンションなどは、キーボックスを設置する場所がありません。その際は、民泊運営業者などに依頼して、鍵の受け渡しを直接行ってもらうと良いでしょう。
共有スペースの使い方
こちらも外国人のゲストに多いトラブルですが、日本人のゲストでもあり得るトラブルです。先ほどいったように、共用部は基本的に禁煙のマンションが多く、マンションの共用部はほかにもルールがあります。そのルールを守らないことで、近隣住民とのトラブルに発展する可能性があります。
共用部のルールについて認識の誤解が出やすい、以下の点を解説します。
- エントランス
- ゴミ出しについて
- 付属施設について
結論からいうと、以下のルールについては室内に置いてあるガイド、もしくはメールのやり取りなどで事前に伝えておきましょう。特に、共用スペースが多い大規模マンションは要注意です。
エントランス
大きなマンションなどは、エントランスに椅子やテーブルなどが設置されていることがあります。しかし、この椅子やテーブルは待合室のようなイメージであり、そこで飲食するのは原則禁止のことが多いです。
ただ、ゲストが外国人やマンションに住んだ経験がない人だと、このようなマンションの常識を知らないケースがあります。そのため、エントランスで宴会をするなど、ルールを破ってしまう可能性もあるのです。
ゴミ出しについて
ゴミ出しも、マンションによってルールが決まっています。ゴミを出して良い「曜日」や「時間帯」などが決まっている上に、ゲストはそのマンションに居住している人よりも多くのゴミを出しがちです。そのため、出してはいけない曜日に、大量のゴミを一度に出すなどのトラブルに発展する可能性があります。
このようなことが起こらないために、ゴミ出しは基本ゲストにやらせないようにしましょう。大きなダストボックスを用意して、そこにゴミをストックしてもらい、ホストや民泊運営業者が代わりに捨てると良いです。長期宿泊者でゴミが溜まってしまう場合は、定期的に捨てに行くなどの対応も必要です。
付属施設について
マンションによっては、以下のような付属施設があります。
・スポーツジム
・キッズスペース
・バー
これらの使用は、居住者に限定している場合が多く、ここでいう居住者とはそのマンションの所有者および家族などを指します。また、これらのスペースは鍵を持っていれば利用できることが多いので、このルールも周知しておかないとトラブルに発展する可能性があるのです。
まとめ
このように、民泊には賃貸運営とは違うトラブルがあります。特に、文化や風土が異なる外国人の受け入れには十分に注意しましょう。基本的には、仲介サイトでの注意喚起や、室内に置いておく「使い方ガイド」で良く説明することが重要です。
コメント