一般的に不動産投資と呼ばれる投資は、実際に不動産を購入して、その不動産から生み出される賃料収入がメインとなる投資です。しかし、最近では不動産投資信託であるREITも不動産投資にカテゴライズされます。
今回は、現物不動産投資とREITの信託投資の比較のお話です。
REITとは?
現物の不動産投資はイメージが沸くと思いますが、人によってはREITのイメージが沸かない方もいると思います。そんな方のためにREITについて簡単に説明をします。REITの概要は以下の通りです。
- REITは投資信託であるので、株や債券などと同様に金融商品である
- 株や債券などのように証券取引所で売買できる
- REITは投資信託なので、投資のプロ集団が資金を集めて不動産投資をする
- プロが投資した不動産から得た利益を投資家へ分配する事で、投資家は利益を出す
REITのメリット
つまり、REITは現物の不動産投資とは違い、あくまで「証券」の取引になります。そのため、メリットとしては、以下の通りです。
- 少額から不動産投資が出来る
- 売買がしやすい
- 比較的安定したインカムゲイン(定期的な収入)が期待できる
本来現物投資は1,000万円単位の大きなお金がないと投資できませんが、REITは少額からの投資が可能です。また、証券なので売買しやすいですし、原則は不動産投資なので賃料収入が主な収益源です。そのため、比較的安定したインカムゲインを得られやすいです。
利回りとコストの比較
つづいて、利回りとコストの比較です。現物不動産投資とREITには以下のような違いがあります。
利回りについて
記載の通り利回りについては、現物不動産投資の方が倍以上高いです。やはり、現物不動産投資だと投資物件の利益を自分一人だけのモノにできる点が、この利回りの差に出ています。次項で記載する経費関係は概ね2%程度利回りを圧迫しますので、支出関係を計上した後の実質利回りで7%となっているのです。
※1 不動産投資新聞
http://www.rakumachi.jp/news/archives/145218
※2一般社団法人 不動産証券化協会
http://j-reit.jp/market/03.html
支出について
支出の大きな違いは手数料とランニングコストです。現物不動産の場合には仲介手数料が3%+6万かかります(消費税込みで3.1%としています)。しかし、REITは証券会社によっても手数料は異なりますが、高くても投資金額の1%程度です。
また、現物不動産の購入時は「登記関係費用」「銀行関係費用」などのその他諸費用がかかってきます。そして、現物不動産投資は月々支払うランニングコストが掛かってくる点も現物不動産投資とREITの違いです。税金に関しては、いずれも掛かってきます。
現物不動産投資のメリット
上記を踏まえ、現物不動産投資のメリットは以下になります。
- REITよりも遥かに高い利回り
- 借入を行えるのでレバレッジ効果がある
やはり、一番大きなメリットは利回りです。不動産投資は賃料収入がメインなので、基本的には安定した収益を生み出しやすいです。その上で7%を超える高い利回りを確保できる点は、非常に大きな魅力であります。
また、不動産投資は金融機関から借り入れを起こせるので、少ない資金で大きな投資ができます。そのため、利回りの高さも相まって、少ない投資で比較的「安定した」「高い収益」を生み出す事が出来るのです。
確かに現物不動産投資はREITのような流動性の高さはありませんし、コストもREITよりは掛かってきます。しかし、利回りの高さと借入によるレバレッジ効果という大きな強みが現物不動産投資にはあるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。現物不動産投資とREITにはそれぞれ特徴があります。どのように利益を上げたいかによって投資対象は異なりますが、REITと比較する事で現物不動産投資のメリットを再確認出来ます。自分の投資スタイルに合わせて投資対象は吟味していきましょう。
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