「路線価」という指標を聞いた事はあるでしょうか。路線価とは相続税を算出する時に利用される指標になります。この路線価で割り出された不動産価額(相続税評価額)に相続税率を掛けて相続税額を算出するという順番になるのです。
今回は、この路線価について、路線価が与える様々な影響をテーマにお話します。
路線価から相続税を算出する
冒頭の通り、路線価は相続税を算出するための価格です。この章では、その路線価の見方を説明します。
路線価とは?
路線価は毎年1月1日に決まります。価格は不動産鑑定士などの専門家の意見を聞きつつ、実勢価格(実際に取引した金額)を考慮し税務署で決定します。
路線価図の見方
路線価図はホームページ※1から確認する事ができます。この路線価図から路線価価額を読み取る事が可能です。
※1 路線価図
http://www.rosenka.nta.go.jp/
自分の物件の場所を指定し数字を読み取る
まずは上述したホームページより自分の住んでいる区域を指定しましょう。細かく区域が分かれていますので、自分の家のピンポイントのページを地図で開かなくてはいけません。そのページを開いたら、以下のような地図が出てきますので、自分の物件が面している道路をチェックしましょう。
計算する
つづいて前項でピックアップした数字を計算してみます。例えば、前項では「310C」という数字があります。これは、この道路に面している土地は「1㎡当り310,000円」であるという相続時評価額を表しています。また、隣のアルファベットは借地権の時の軽減措置になり、アルファベットによって以下のように軽減率が決まっています。
- A:90%
- B:80%
- C:70%
- D:60%
- E:50%
- F:40%
- G:30%
そのため、例えば⑫の土地が200㎡(所有権)である場合には「310,000円×200㎡」という計算式になり6,200万円が相続税評価額になります。また、この土地が「借地権」である場合は「C」なので70%の割合になります。つまり「6,200万円×70%」という計算式になり4,340万円という価値になるという事です。相続税を計算する時には、このように算出された評価額に相続税率を掛けて計算されるのです。
また、その他にも奥行補正や二道路に接している場合などは計算方法が異なります。実際に相続の時には税務署に相談しましょう。路線価図の読み方の詳細を知りたい方は、先ほど紹介した「※1路線価図」をご覧ください。
固定資産税と物件に価格与える影響
固定資産税は固定資産税評価額を基に算出されます。相続税で言う、相続税評価額と同様です。固定資産税評価額は相続税評価額の約9割程度です。
そのため、例えば前項で算出された6,200万円の相続税評価額であった土地は、「6,200万円×90%」で5,580万円程度になります。しかし、この数字はあくまで参考価格なので、実際には固定資産税が記載されてある通知書を確認しましょう。
また、路線価はあくまで土地の価値を算出するための数字なので、マンション価格を算出する時にはほとんど利用しません。利用するとしたら、同じような物件があった時に、「場所(土地)の資産価値の差」を比べる時に利用する程度です。
例えば、同じ最寄り駅で、同じ駅距離・広さ・築年数・向きであるAというマンションとBというマンションがあったとします。その時の土地の評価がAは1㎡当り40万円でBは70万円だったとします。
そうなると、Bの方が公的な評価の高い場所となり、その点だけ見るとBのマンションの方が資産価値が高いと言えます。しかし、この考え方はマンションの査定価格などに盛り込むというよりは、購入検討者に対する営業トークという意味合いの方が強いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。路線価という名前は知っていたという方も、ここまで詳しくは知らなかった方も多いのではないのでしょうか。路線価は色々な不動産価格がある中で、一般の方が見やすい価格の一つです。自分の物件の売却をする時には参考までに路線価を見ておくのも良いかもしれません。
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