「家」は、数ある商品の中で最も高額な商品です。そのため、それを買う人も慎重に選びます。また、権利関係や手続き関係に時間を要するため、家を売ろうと思ってから実際に売却が完了するまでは多くの時間がかかります。また、不動産を10年単位で考えた場合にも「売り時」がありますが、1年単位で考えた場合にも「売り時」が存在します。
今回は、家、マンションを売却するにはどのくらいの期間がかかるのか、そして、不動産が一番売れやすい時期はいつか?についてお話します。
家の売却にかかる期間は?
まずは家の売却にかかる平均期間についてです。これは物件の種類や時期によっても大きく異なってはきますが、査定から物件の引渡までの全ての期間は5~6か月間程度が平均になります。
- 査定、媒介契約期間:約2週間
- 売却活動期間:約3か月
- 申込、契約期間:約1週間
- 引渡:1~2か月
査定、媒介契約期間:2週間程度
自分の家が大体いくらで売却できるのかという査定から、どこの会社に売却を任せるかという媒介契約までの期間は大体2週間程度です。但し、特に「査定」についてはやり方次第で時間を節約できます。
査定のやり方は、主に「直接店舗へ行く方法」と「ネットで直接不動産会社に依頼する方法」、そして「不動産一括査定サイトを利用する方法」の3つの方法があります。この方法の中では3つ目の不動産一括査定サイトを利用する方法をお薦めします。
直接店舗へ行く方法は、実際に営業担当者と話を出来るので、相場情報や現在売り出されている物件情報など、厚い情報を聞く事が出来ます。しかし、一社に査定依頼をするのに小一時間がかかってしまい、非効率です。ネットで直接不動産会社に依頼する方法は、直接店舗へ行くよりは効率的ですが、不動産一括査定サイトを利用する方法と比較するとメリットはありません。
不動産一括査定サイトは、一度ネット上から物件情報を登録するだけで、複数社同時に査定依頼が出来ます。そのため、時間も節約できますし、複数社の査定額を比較出来るので、良い不動産会社を判断しやすいです。
売却活動期間:約3か月
売却活動とは、具体的には、チラシやDMなどの広告展開を行い集客して、実際の部屋や建物を購入検討者に見せる事を言います。
この売却期間が、一番物件毎に異なってくる期間です。上述した「媒介契約」の期間を3か月で結ぶ人が多いので、3か月が一つの目安となります。逆に言うと、3か月経過しても検討者も現れず、集客も細っている状態であれば価格を変える必要があります。そのため、3か月という期間を一つの目安として、売却活動を見直すと良いでしょう。
申込、契約期間:約1週間
前項の売却活動をして、検討者が現れたら価格交渉や引渡時期の交渉をした後「申込」手続きに移ります。申込とは契約前の準備期間のようなものです。申込から契約までの期間で、「手付金の入金」
や「ローン審査(物件によってはローン審査は申込前に行う)」などをします。申込から概ね1週間以内に契約を結ぶことが多いです。
引渡:1~2か月
契約をしてから物件を引渡すまでは1~2か月程度の期間がかかります。この期間は売主買主との相談になりますが、売主の住まいが確保されており、売主・買主の手続きが簡単なほど契約から引渡までの期間は短くなります。
実際に行う引渡手続きは以下です。
- 売主は、住宅ローンの残債があれば、返済手続きと抵当権抹消手続きを銀行にて行う
- 売主は、次の引越し先の準備をしておく(次の住まいの確保、引越しのスケジュール調整)
- 買主は、住宅ローンを組むなら、銀行との本申込手続きを行う
- 買主は、引越し準備を行う(引越しのスケジュール調整)
大体の目安にはなりますが、住まいを売却する時は上記の期間を要します。売主買主とのスケジュール調整や、何より売却期間によって左右されます。
不動産が一番売れやすい時期は?
不動産が一番売れやすい時期は、結論から言うと「長期的スパンで見れば、全体相場が上がっている時」、「短期的スパンで見れば、競合物件が高い価格で売り出している時」です。
長期的スパンで見た時
長期的スパンで一番高く売りやすい時期は、「全体相場」が関わってきます。全体相場を見る方法は色々とありますが、一番は不動産経済研究所※1が出している価格を見る事です。この情報が最新の情報であり、全体相場が見やすいです。
また、国土交通省※2のホームページにも様々なデータがあります。不動産経済研究所のデータ程のスピード感はありませんが、過去の推移がグラフにまとまっているので、過去情報を見る時には便利です。
※不動産経済研究所ホームページ
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
※国土交通省ホームページ
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html
短期的スパンで見た時
つづいて、1年程度の短期的スパンで見た時です。周辺の競合物件が高く売り出している時が狙い目になります。
・中古物件を確認し見てみる
分かりやすい指標としては、一番競合になり得る中古物件を確認することです。今はSUUMOやホームズなどの不動産ポータルサイトで簡単に売り出し事例を調べる事が出来ます。その売り出し事例を調べて高い価格で売り出している物件があれば、その物件と比較できますので高い金額で売り出しやすいです。
しかし、注意点としてはその物件がなくなる前に売らないと売却が厳しくなるという点です。例えば、査定額が3,000万円のマンションを売却するとします。周辺物件を調べてみると、同じような条件の部屋は2,800万円~3,200万円程度で売りに出されていました。ただ、一件だけ3,680万円で売り出されている部屋があれば購入検討者にはどう映るでしょうか。
その時は、例え自分の物件を相場以上の3,480万円で売り出していても、その3,680万円があるお蔭で飛びぬけて高い金額には見えないかもしれません。運よくその金額で売る事が出来れば査定額よりも480万円も高く売れます。
しかし、その3,680万円が売れてしまう、もしくは価格を下げてしまえば2,800万円~3,200万円の物件の中では3,480万円という価格はかなり高い金額に映ってしまいます。
そのため、確かに競合物件が高い金額で売り出している時は、自分の物件も高く売り出して勝負する事は出来ますが、高く売り出している物件が少ない場合には注意しましょう。
・新築物件を見てみる
中古マンションと同じ理由で新築マンションの状況も、自分の物件を高く売れるかどうかを左右します。特に、大規模物件で高い金額のマンションが分譲されたときはチャンスです。大規模物件なので、集客力があります。そしてその大規模物件を「高い」と感じた人は周辺の中古物件を探す傾向があるのです。
その方々をうまく自分の物件に集客できれば、新築の大規模物件の「高い」という印象があるため、相対的に自分の物件が安く見えやすいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。不動産を売却するために要する時間や、比較的高く売りやすい時期が分かったと思います。不動産は時期や周辺状況によって10%前後価格が変動してもおかしくありません。不動産は高額な商品のため、10%価格が違えば100万円単位で金額が変わってきます。
そのため、時期や売却してくれる不動産会社は慎重に見極めなければいけません。特に、売る「時期」に関してはコントロールしにくいですが、不動産会社は自分の努力次第で良い不動産会社を見つけてくることは可能です。多少時間がかかっても、複数の会社に査定依頼をして比較検討してみましょう。
それが結果的に不動産を高く早く売ることに繋がります。
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