マンションをはじめとした不動産の「建物部分」は、築年数が経つにつれて劣化するので、資産価値が下がっていきます。マンションは鉄筋コンクリート造りなので、木造の一戸建てよりは資産価値の下落は緩やかですが、それでも資産価値は下落していきます。
今回は、「マンションは1年で売値相場が何%程度下がるのか?」をテーマに、マンションの資産価値の下落についてお話します。
マンションは1日住んだだけで10%下落する
新築マンションは一日住んだだけで10%程下落すると言われています。つまり、3,000万円で買ったマンションを、買った次の日に査定を出すと2,700万円になるという事です。
新築マンションと中古マンションの違い
もちろん、マンションの資産価値の下落スピードは物件ごとに異なります。買った時期もそうですし、買う不動産会社によっても異なります。ただ、新築マンションは1日住むと10%価値が下がると言われている理由は、新築マンションと中古マンションの価格構成比率の違いがあります。
新築マンションの価格構成比率
新築マンションの構成比率は以下のようになっています。
- 建築費:5~6割
- 土地代:2~3割
- 販売経費1~2割
- 利益:1割前後
このような構成比率になっているのです。つまり、純粋な建築費と土地代の上に販売経費と利益部分の2割強が上乗せされて、価格が算出されているという事です。
中古マンションの価格構成比率
中古マンションの価格構成は人それぞれです。利益を出したい人もいますし、残債がなくなれば良いと思っている人もいます。一番多いパターンは残債+売却時の諸経費が賄えれば良いという方です。大抵の人は数百万円の頭金を入れてローンを組んでいるので、残債はその頭金の分少なります。
そのため、残債分+せいぜい4%程度の諸経費が中古の売却価格だとすると、新築マンションよりも必然的に安くなるのです。
下落率
ここで、表題の「マンションは1年で売却相場が何%程度下がるか?」という件に戻ります。一般的には1年で10%程度(正確に言うと1日で10%)下落すると言われています。また、下表※1のように築年数によって下落率は異なってきます。
※1出典:東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201203.pdf
築年数0~5年
下記のローデータ※2を見ると分かりますが、築0~5年から築6~10年にかけては㎡単価54.19万円から50.93万円と約6.1%下落しています。
築年数6~10年
下記のローデータ※2を見ると分かりますが、築6~10年から築11~15年にかけては㎡単価50.93万円から43.44万円と約14.8%下落しています。
築年数11~15年
下記のローデータ※2を見ると分かりますが、築11~15年から築16~20年にかけては㎡単価43.44万円から29.86万円と約31.3%下落しています。
築年数16~20年
下記のローデータ※2を見ると分かりますが、築16~20年から築21~25年にかけては㎡単価29.86万円から26.81万円と約10.3%下落しています。
下落率の総評
上述したように、新築から1年目にかけて10%程度資産価値は下がり、その後の築5年を境に約6.1%下落しています。また築10年を境には約14.8%、築15年を境に約31.3%の下落をしており、その後の築20年の10.3%の下落以降は、緩やかな下落率になっています。
この表から何が言えるかというと、新築からすぐに資産価値が下がった後は、その後は築年数ごとに下落率に大きな差があるという事です。自分のマンションを高く売りたい場合は、この築年数の節目に注意して売却時期を考える必要があります。
※2出典:東日本不動産流通機構
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201203.pdf
まとめ
いかがでしたでしょうか。時間が経過するごとに劣化していくマンションですが、築年数の節目ごとに下落率は大きく違います。確かに、マンションは1年で売却相場と比べて10%ほど価格は下がると言われています。しかし、資産価値が一番高く感じやすいタイミングで売却する事が出来れば、最初の下落を補える事もあります。
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