今のマンションを売却して新しいマンションを購入することを「マンションの買い替え」と言います。マンションの買替には「購入と売却はどっちが先か?」「期間はどのくらいかかる?」「必要経費は?」などの色々な疑問が沸きます。今回は、そんな疑問にお答えするために「マンションの買い替え」をテーマにお話します。
マンションの買い換え、購入と売却どちらが先?
マンションを買い替える時には、購入と売却のどちらを先に行うべきかという質問を良く受けます。結論から言うと、「購入」を先に行う方が良いです。理由は以下の2つになります。
単純に次住む家がない
理由の一つ目としては、購入先が決まる前にマンションの売却が決まれば、住む場所がなくなってしまうという理由です。次の入居先が決まっていなければ、一旦賃貸マンションに住むなどの選択を取るなど、費用と手間が掛かってしまう事が多いです。そのため、まずは購入先を見つけてから売却を進めたほうが良いです。
停止条件付き契約を締結する
購入を先にすることよるデメリットは「売却物件が売れなかった時」です。特に、物件の売却が完了する前提で新たなマンションのローンを組んでいた場合には、今のマンションが売却出来ないと新しく購入するマンションの契約が白紙になってしまいます。
白紙ならまだ良いですが、「契約違反」になり違約金を支払う事態だけは避けなくてはいけません。そのためには「停止条件付契約」という契約を締結すると良いです。この契約は「今のマンションが〇月〇日までに売却出来なかった場合には、この新しい契約は白紙解約になる」という旨の契約になります。
この契約を締結しておけば、「物件が売れなかった時のリスク」を回避できます。
準備からの平均期間について
準備からの平均期間については概ね5か月~6か月程度です。詳細は以下のようになります。
- 物件査定~媒介契約:1週間~2週間程度
- 売却期間:3か月程度
- 申込~契約:1週間程度
- 契約~引渡:1~2か月程度
この期間の内、特に「売却期間」については物件によるバラつきが大きいです。物件によっては、売り出しから1週間で申込が入る場合もありますし、1年かけても物件が売れない場合もあります。逆に言うと3か月程度で売れないという事は価格が高すぎるという可能性があるので、3か月程度では売れる価格設定にする必要があります。
必要軽費について
必要軽費については売却と購入で異なってきます。
売却時の必要軽費
- 仲介手数料(税抜き物件価格が400万円以上の場合は「物件価格×3%+6万円」)
- 登記関係費用(抵当権抹消費用:物件価格×0.2%)
- 引越し費用(数万~数十万円)
上記の費用が掛かってきます。仲介手数料が群を抜いて一番かかってくる費用になります。目安としては「物件価格×4%」程度で計算した金額が売却時にかかる必要軽費と思っておけば良いです。
購入時の必要軽費
- 住宅ローン関係費用(手数料:3万円程、保証料:借入金額×2%)
- 登記関係費用(所有権保存登記:物件価格×0.2%)
- 不動産取得税(不動産を取得した時にかかる税金)
- 火災保険、地震保険料(住宅ローンを組むなら火災保険は強制加入、地震保険は任意加入)
上記の費用がかかってきます。こちらも目安としては「物件価格×3.5%」程度を計算しておきましょう。
このように、マンションを買い替えると、必要軽費が購入時も売却時も掛かるというデメリットがあります。マンションを買い替える際は最初に支払う初期費用が、賃貸マンションに住み替える時よりも多くかかる点を認識しておきましょう。
まとめ
このようにマンションの買い替えには、「売却を先にしてしまうと住むところがなくなる」「必要軽費がダブルで掛かる」というデメリットがあります。ただし、「売却を先にしてしまうと住むところがなくなる」点は、停止条件付契約を結ぶことで解消出来ますし、何よりも賃貸マンションよりもグレードが高い分譲マンションに住む事ができるという最大のメリットがあります。
マンションを買い替える際にはこのメリット・デメリットを把握しつつ行いましょう。
※2016年7月執筆。記載の税率などは時期によって異なります。詳細は国税庁ホームページか最寄りの税務署でご確認ください。
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